2005年03月13日 (日) ちょっとソファーで小一時間ほど・・・と体を倒しただけなのに・・・
目が覚めたのは13時ちょっと前。
「あ、もうだめじゃん・・・Toroいけないやん・・・接待失敗ヤン・・・でも、眠いからまぁいいか・・・」
もっかい寝た。
この日も、路上のあちらこちらでペタルドの音が戦場さながらけたたましくなっていて、なんどが無意識の膜は破られたが、無視して寝続けた。
次に目が覚めたのは何時か不明だが、タカシ君の電話の声で目が覚めた。日本語はなしていたから日本人っぽい。
さらに寝続けた。
で、次起きたら夕方の6時。
おしりのポケットに小銭いれをいれたまんまで寝ていたから臀部というか腰が痛い。
「さ~てどうしよう・・・タカシ君起こして軽く食べに(飲みに?)いくか・・・あ~でもぐっすり寝てるしな~。」
とりあえず、昨夜のFiestaの後始末をする。タバコ吸いすぎて灰皿一杯になってたし。ついでにコップとかも台所に移す。もしかしたら、その音でタカシ君が目が覚めるかな~とちょっと期待して。
けど、起きなかった(^_^;)
で7時頃、テクテクおうちに帰ってきた。
家に帰ってくると、3人ともSalonにいた。
「どうだったよ?Toroは!」とManolo 「う~ん・・・いってない・・・」 「え???いってない?」 「いけなかったの・・・」 「Que va!いけなかっただって・・・・二日酔いだろ、どうせ!」 「いや、そんな二日酔いになるほど飲んでないよ・・・」 「じゃなんでだ」 「う~ん、観光したり、朝まで話してたからね~」 (微妙に嘘) 「Andreasは?」 「・・・明日・・・明日ということで・・・」 「・・・・」
ということで、昨夜の説明をするのが面倒くさかったので、適当にごまかして逃げた。
普段、二日酔いには絶対ならないと自慢気にはいっているが、酒を飲み過ぎた次の日に体の調子がなんとな~くおかしいというのは当然ある。それはたいていベッドじゃないところで寝たり、ベッドでも他人のベッドだったり、あとは寝るタイミングがずれたとき・・・酒飲んで眠くなった瞬間寝れば問題ない。頭が痛くなったり、食べれなかったりというのではなく、ただ、なんか疲れてるってそんな症状。
Manoloたちが映画を見るという。正直そんな気分ではなかった・・・。
が、何でもスペインでも有名な監督で、「El VERDUGO」(死刑執行人)というタイトルとそのストーリを聞いてしまったら興味がそそられてしまい、見ることにした。
【El VERDUGO】2.8点(5点満点)スペイン語わかりやすさ度 3(10段階評価) 監督:Luis Garcia Berlanga 1964年 白黒
スペイン映画に詳しい人ならかなり有名な監督らしい。「黒沢明?みたいな感じ?」ってきいたら、「いや、コメディーに近い・・・小津安二郎だな・・・」との返事が。
見終わってなるほど納得・・・なんてことのないリアルな日常風景などが多い。スペインの当時の文化や習慣を忠実に再現しているらしい。台詞等なども。ちなみに、彼はValenciano(バレンシア人)。
この映画・・・もしかしたら日本にあるかもしれない。たぶん「死刑執行人」というタイトルで。もうそのまんま。
現在、スペインには死刑の制度はない。だから、良くスペイン人から「なんで、まだ死刑があるんだ!日本は!アメリカと一緒か!」といわれることがある。スペインに死刑があったのはフランコの時代。思想弾圧や共産党員の弾圧のためだったという。そのための刑務所もたまにあったりする。目的はともかく、歴史を感じさせるかっこいい建物が多い。
で、内容なのだが・・・。
ぶっちゃけ、スペイン語難しすぎて4割以下しかわかっていないと思う。先ほども書いたが当時の雰囲気を忠実に再現しているから、単語なども・・・たとえば、外人に対する別称なども、Manoloたちに説明してもらわらないとわからないし、当時の時代背景がわからないととても難しい。ファッションもしかりだ。
小津安二郎の時代を今の中学生やら高校生がどこまで理解できるか・・・というのと同じことだと思う。
ただ、ストーリー自体はとてもシンプルなので、台詞がわからずManoloやSantiと一緒に笑えなくても(そういうスペイン映画はいっぱいある)、ちゃんと映画としてみることはできる。
ある若い男が、死刑執行人の仕事をしているおじいさんの娘と恋に落ちる(?)。恋に落ちたというよりは、関係をもち、そのまま結婚まで話しが進んだという感じに近い。そのおじいさんは近々PISO(家)を持つことになっていたのだが、結婚して彼の義理の息子になるにもかかわらず、その若い男では職業的に?身分的に?(この辺よくわかってない)家を持てないという。
そのために・・・自分の嫁と子供のために家を持つために・・・何度も何度もためらにながらも、ついに彼は義父の後をついで死刑執行人(公務員の身分になる)になることに。
そして、彼にとっては初めての仕事(死刑執行)の手紙が届く。そのために家族全員でマヨルカ島へいき・・・そこで・・・。
という感じのストーリー。ここら辺は結構あってると思う。
前半のドタバタ劇は映像によってでしか判断が難しく、細かい笑いどころが理解できないのだが、マヨルカにいってからはとても面白く、食い入るようにみてしまった。かわいそうなんだけど、他人事なのでみていて面白い。
スペイン語の勉強にみるというとなると微妙なところ。このDVDがそうだったのか、字幕がないやつだったので、完全にヒアリングだけが頼り。あの当時のスペインの雰囲気を楽しみたいという人にはお勧め。もっと理解できていたら、点数も高かったであろう映画だった。
一番驚いたのが、嫁さん役の綺麗な女性が、今こっちでやっているテレビドラマ(aqui no hay quien viva)に出演していて、いつも文句たれてるおばあさんと同じだということ。若いときは十分美しいのに・・・スペイン人って年とると結構かわるのね~。美しいセニョリータもやっぱママンの卵なのか・・・って思わされた。
夕食後、もう一本映画を見ることに。単純なホラー「Tesis」を見ようといったのだが、またもや同じ監督の映画。EL PAISで特集をやっていたみたいで、Manoloが実家から大量に持ち帰ってきたからだ。
「必死にみないといけない映画はホント疲れるんだよな~」と思いながらも、また映画の簡単なストーリを聞いて、興味津々。「それみよう!」って自分でいってしまった。
【Bienvenido.Mister Marshall!】2.8点(5点満点)スペイン語わかりやすさ度 2(10段階評価) 監督:Luis Garcia Berlanga 1953年 白黒
この映画・・・歴史的な部分は専門なのでわかったのだが・・・台詞がまったくもってわからない。「El VERDUGO」はまだ対話形式だったのだが・・・意外と聞き取れないナレーションタイプであったのと、演説やヤジ、白熱した議論のシーンが多く、もうえぐいのなんのって・・・。テーマは1つなので、議論の目的はわかるので、ほとんど表情をみての憶測となってしまった。
タイトルの意味は「ようこそ、ミスター・マーシャル!」って感じ。日本にあるかどうかはこれもわからない。
ストーリーは・・・
完全に眠りこけたような小さな小さな田舎町にアメリカ人(アメリカ)がやってくることになった。目的はマーシャル・プランのため。マーシャル・プランは戦後・・・たしか1950年前後の数年にアメリカのマーシャル(当時の国務長官)が提案したヨーロッパ復興計画のこと。日本の世界史の授業でも必ずでてくる有名な制作。ソ連や東欧をのぞくほとんどのヨーロッパの国が参加した。
まぁ、そのマーシャル・プランのおかげで、寂れた自分たちの村にアメリカ人がやってくるってもんだから、村(Villar de Rio)は大騒ぎに。村長と偶然やってきた踊り子のマネージャー(?)と共に、歓迎パーティーや、援助して欲しいもののリストなどを制作したりなど・・・いろいろと準備をする。
アメリカの歴史を学んだり・・・村はMadrid周辺にもかかわらず、張りぼてなどを使ってアンダルシア風の町並みにしたり、服装もベタなフラメンコの衣装などにしたり、アメリカの国旗を掲揚したりなどなど・・・。
広場では、1人1人に何が欲しいかを聞くのだが・・・トラクターやら洗濯機やら、冷蔵庫やら、料理器具やら・・・もうそれはそれは現金な意見が飛び交う。
彼らはアメリカ人が来た後の村の様子を夢見る。
ある農夫は東方三賢者(スペインのサンタみたいなもの)の格好をしたアメリカ人がミサイルを投下するように、空からトラクターを落としてくれた夢を見る。
村長は、みながカードに興じる西部劇のような酒場に警官として登場し、おたずねものとの銃撃戦と、踊り子との恋。
様々な夢でありながら、みながみな一様にべたなアメリカのイメージをもっていることがよくわかる。対象が日本人だったら、刀をさした侍が村を闊歩し、ハラキリをして、芸者がでてきて・・・という感じだ。
こちらもなんてことのないストーリーなのだが、とても当時の様子がよくわかる映像に、スペインの小津安二郎ということを確信する。
台詞はたぶんいっこうにわかる気がしないが、映像をみるためだけにでも今後もみてみたい監督だ。次はManoloたちが進めてくれた「Moros y Cristianos」をみようと思う。以前、Alcoiのそのイベントに参加したことがあるから、少しは理解できるだろう・・・。
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