スペインでも「本場」と言われるところでフラメンコをみたのなんか二回しかない。そして二回といっても、観光客用のタブラオでみたフラメンコ。逆にバレンシアでは「cafe del duende」には何度となく足を運び、なんともすんごい迫力のあるフラメンコを見た。それが本物とか偽物とかわからないが、とにかく圧倒されるフラメンコだ。踊りはちゃんと順序があるのだろうが、なんとなく自由に、その場その場の感覚で踊っているように見える。「踊り」というよりはなんていうか・・・「即興劇」みたいな感じ。「劇」ってのも違うか・・・う〜ん。
ついでに書いておくと、劇中、ず〜っとスペインに哀愁を感じていたのが、後ろで歌っている女性の声とギターの音。これはフラメンコの歌では本当に良く聞く・・・なんというか、タバコか酒でつぶれたようなハスキーな感じの声だ。Ojos de Brujosのような声。Volverの曲の声といってもいい。彼女たちは表には全くでてこず、最後まで裏方でダンサーの後ろに陣取って座っていたが、かなり良かった。またcafe del duendeに行きたくなってしまった・・・。聞いていても聞き取れないところがほとんどで、歌詞などを理解して余韻に浸るなぞはできないが、その表情とテンポ、そして時々聞き取れる単語でなんとなくだがイメージはできるから不思議だ。
家に帰ると、とりあえずMaria JimenesとOjos de Brujosをかける。すると、あらあら、どうしましょう・・・「やばい気持ち」になってきるではないか・・・なにかが産まれそうだ・・・う、産まれる・・・いかん・・・いかんぞ・・・お、抑えきれない・・・。
日々「人間、そ〜簡単に変われないよ〜」とか言ってしまってるが、それはおいらくらいの年になったらの話で、若いと変わる要素がいろいろとあるのだろう。要素っていうか、「(その人を)変えれる存在」がいれば、人間すぐにかわるのかもしれない。いやはや、良きかな良きかな。でも、面白いような、面白くないような・・・。あまり素直すぎると、つっこみどころが・・・。あの切り返しが懐かしい気もするが、素直は素直でNo esta mal・・・って気もするが、やはり惜しい気もする。