旅中はあちらの料理になんの不満をいだくこともなく(特にボスニア・ヘルツェゴビナ!)、「あら、おいしい」を連発だったのだが、おにぎりは・・・たとえ、それが空港の売店で買ったコンビニおにぎりであったとしても・・・もうかみしめるように、涙流しながら、「おいしいよ〜おいしいよ〜やっぱ米だよ〜」と、もうJusto de 噎び泣くだ。測量士マリカルメンが、日々の肉料理にストレスを感じて、うがっ〜〜〜〜!!!とわめき散らすたびに、「うるさい!黙って喰え!郷に入りては・・・」と諭していたのだが、あれは一種の日本食に対するホームシックと思うと、さもありなん・・・と今なら思う。
で、な〜〜〜んもやる気しない。
とりあえず、スペインで買ってきたCDを聴きながら、2ヶ月分のメール・・・うち9割は勿論スパムなのだが・・・はチェックだけし、あとは一日中のんべんだらり。普通は旅が終わるちょっと前くらいから、「よ〜〜し、帰ったら働くかっ!」となるはずなのだが、今回はちょっと違って旅の終わりを意識したあたりから、「いやいや、もっかいスペインいけるよ。まだ行けるよ。echo de menos a Espanaだよ」という気分に犯されはじめ、なんどか駄々こねていたのだが、日本に帰っても、おかしなことにスペイン熱は冷めやらず。あれだけ呑んだのに、あれだけ喰ったのに、あれだけ奔ったのに・・・。旅中、ママンから「そろそろ飽きてきたでしょ?」とかいうメールをもらったが、愚問である。「はぁ?飽きるってどんな状態よ?」である。
話は飛ぶが、Vinoの方は調子が良い。ほぼ毎日呑んでいる。測量士に怒られながらも・・・。今は、ArlanzaのPalacio de LermaというVinoを呑んでいる。Lermaに敬意を表してだ。だが、実は、このArlanzaというD.O、恥ずかしい話・・・・今回の旅で初めて知った。なんとなく目にしたことがあるような気はするが、これまで意識したことがないのは確かだ。今回の呑んだくれの旅はDuero川沿いを回る旅で、当然Ribera del Dueroの安Vinoを呑む予定できたので、ちょっとびっくりしている。主にTempranilloなものが多く、味はRiojaよりもやはりRibera del Dueroより。私の表現だと「樽臭い」感じがしてとても良い。
このLermaでは、普通に頼む一杯のcopita de Vinoが0.7euros(80円くらい)とかなりお安いので、気兼ねなく呑める。明日Lermaをたつ前に数本買っていく予定。おみやげに。
今日はほかに小さな村を結構回った。Aranda de Duero方面に行き、San Esteban de Gormazへ行き、ここで知り合ったJulioというおじいさんに、かなり素敵な秘密基地を紹介してもらい、初めて樽に直接コップを入れてすくったVinoを呑ませてもらった。自分でVinoが作れる秘密基地がかなりうらやましく、城の廃墟を降りた後も、ず〜っと「秘密基地ほしい・・・秘密基地ほしい・・・」とブツブツいっていたら、測量士マリ・カルメンに怒られた。怒られても当然言い続けたが・・・。
ほかにも、UceroからRio Lobo、Hacinas、Covarrubiasと、小さな村々をだいぶ闊歩してきた。Soriaあたりから、「ガン見」率がかなり高いような気がする。「なんだなんだ?chino(中国人)がTodo Cien(100円ショップ)を作る下見に来たのか?」という感じである。だから、たいていスペイン語で「Hola!」とあいさつするとびっくりされるのだが、運が良ければ、San Esteban de GormazのJulioのように、面白い体験をさせてもらうこともある。とりあえず、このあたりの村ではあいさつは必須と思われる。