難しい話

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先日の予告通り、この日は鎌倉で勉強合宿をした。鎌倉といっても正確には稲村ヶ崎(稲村ジェーンの舞台ですね)の西田幾多郎宅と言う所。この西田幾多郎は知る人ぞ知る有名な人。日本史の教科書にもでてくるような人だ。学校での授業を憶えている方ならご存じであろう。ということで、由緒ある場所での合宿となった。

自宅から電車を乗り継ぎ「江ノ電」に乗る。久しぶりの江ノ電はなかなか心地よかった。車窓から眺めることができる景色がいいんですよね。ずーっと広がる海岸線と長閑な風景・・・。しかし、前日徹夜をした僕は江ノ電の中で爆睡。というか、自宅からのず~~~~っと寝っぱなし。長閑も優雅もあったもんじゃなかった。

たいていの勉強合宿と名のつく大学の企画は、えてしてただの「飲み会」と化すことが多々あるが、僕らの勉強合宿は有志ということもあったせいか、マジメに勉強していた。その勉強時間はなんと、昼間の2時から、夜の12時すぎにまで及んだ。夕食を食べた一時間以外はほとんど発表していた。つまり、10時間近く勉強していたことになる。さすがに疲れた。徹夜というのもあったのかもしれないが・・・。

1時ごろから酒の時間となる。さっきまでやっていた発表に関する討論や芸能ネタ、下ネタ、教授ネタ、現代社会についてなどなどを延々と4時過ぎまで語る。芸能ネタや下ネタには流流暢に話す僕であったが、勉強に関することになると途端に口数が少なくなる。「政党」がどうとか、主体性がどうとか、イデオロギーがどうとか・・・・もう頭はちんぷんかんぷん。メンバーは全部で7人だったのだが、僕の同級生3人以外は全員年上で、27、33、35歳と結構離れている。27歳でドクターのK先輩とはあまり離れていないのだが、ドクターとマスターの違いは大きく出る。それ以前に、勉強に対する姿勢そのものが違ったりするし・・・。これらの会話は普段の授業と同じように8割以上はわかっていなかったりする。しかし、それをまるで理解しているかのように頷く僕。情けなし・・・・。

しかし、こういう難しい話って話を聞いているだけで自分が賢くなった気がする。理解していようがしていまいが関係なのだ。ナンテシアワセナヤツ・・・。でも、こういう事って結構ありません?難しい思想の本を読んだり、ちょっと学会とか、なんかの講演会に参加しただけで自分が賢くなった気がしてしまうって。そのほとんどが理解できていなくても。

35歳の先輩に言わせると、そう言うことは結構重要らしい。彼いわく、「僕もそうやって30歳超えてしまいましたから」。社会人の方ではあまりこういうタイプはいないかもしれないが、学問の研究者ってこういう人が結構多い。ある意味現実(ここでは社会を指す)から離れていて、浮世離れしている人が多いのだ。僕はただの学生でそもそも社会を知らないが、35歳になって社会を経験していないとなると世間の風当たりは強いらしい。この三人の先輩とも「明日はわからず」状態で生活しているらしい。27歳のドクターの先輩などは、金がないので一日380円で生活しているといっていた。う~ん、過酷な世界。自分が好きなことをやっているから、その分とっても楽しそうなのだが、今の僕にはその覚悟はないなぁ・・・と感じた。やっぱり来年辺り、就職活動やってるんだろうなぁ・・・。現実逃避ももうおしまいかな。残りの一年をしっかり遊ぼうとしみじみと思う一日でした。

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